すきあらばじぶんガタリ

ブログ名通り隙あらば自分語りをするブログです。

『さくら、もゆ。-as the Night's, Reincarnation-』感想

 先々月に発売されたFavoriteの新作

『さくら、もゆ。』をさっそく完走してきました。

 

プレイし終わって最初に抱いた感想は

『あぁ…いい人生だった…』

です。

 

 

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今作のOPにも『これは、あなたの人生のための物語ー』と描かれているように

 

ここから少し自分語りになります

自分の人生を振り返ってみると後悔の連続で、あの時あの瞬間をやり直せたらなと思う事が幾度もありました。

現実は辛いことや理不尽なことばかりでおとぎ話のように誰か救いの手を差し伸べてくれるわけでもありません。

そんな淡々と何の目標も生きる価値も見つけられず人生を過ごす今に嫌気がさしていました。

そんな時に今作『さくら、もゆ。』をプレイして色々と自分が抱えていた何かに踏ん切りがついたような気がします。

今が辛い人に程、やってもらいたい と思えるようなそんな作品でした。

 

ここから作品の感想になります

 

まずFavoriteの作品なら言わずもがな世界観がとても素晴らしかったです。副題にもなっている-as the Night's ”夜の国”という幻想的な世界観と背景美術とBGMが合わさってすぐに物語に没入出来ました。

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銀河鉄道の夜』をモチーフにしているところもあるとかないとか

 

攻略順は千和→姫織→ハル→クロの順でした。

千和が見た目と後輩キャラという自分の好みにドストライクでしたので最初にプレイ 

千和、姫織は順不動でハルとクロにのみルートロックがかかっています

 

 

※ここから作品のネタバレを含むため未プレイの方はブラウザバッグ推奨

千和√】

 凄く簡潔に言うと『父と子』『家族愛』『心をもたない怪物』

孤独になりやすい千和に寄り添う三人の父親の物語で、

人間に、家族に憧れた夜のイキモノの物語でした。

千和がちわっこいとか可愛いとかは言わずもがな、千和√に登場するソルとナハトこの二人がとても印象的で特にナハトは今まで出会った事のないタイプのキャラクターでしたの個人的にお気に入りです。

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この千和の台詞をクリア後に聴くと本当に心に響きます…

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そしてナハトは普段無口ですが嘘をついていると饒舌になるという設定もとても色んな場面で活きていたと思います。

 

ナハト視点の描写が色々と感情を揺さぶるシーンが多く、進めるのが大変でした…

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 ↑私もナハトさんと同じ気持ちです。

 

また主人公がナハトの思惑を解き明かし、二人の関係性を認めてもらった後に

現実で卒業式を行うシーンがあります。

千和はナハトのことを思い出すこともなくそのままエンディングへ…

この時流石にナハトさんに救いがなさすぎだろ!って心の中で叫んでいましたが

エピローグでそれはすぐ解消されました。

 

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最後に『さくら、もゆ』で一番泣いたシーンです…

やさしいふたりのパパはソルとナハトのことで

『もうひとり、お父さん』は夜の王を倒した後の世界で亡くたったソルの代わりにずっと千和を見守る父親を演じてきた遠矢のことです。

遠矢がソルではないことに気付いていながら千和はナハトの気持ちを汲んであえて気付かない振りをしていたことがここでわかります。

千和なんてやさしい子なんだ…

 

本当にざっくりとした感想であれですが千和√の完成度は凄い!(小学生波の感想

シナリオライターの漆原先生も一番書きたかった物語は千和√とクロ√と仰っていたのも

納得でした。いつか自分か父親になる機会があったらこんな娘が欲しい

あと幼少期の千和の私服が棒〇ate/stay nightの主人公のユニクロTシャツにしか見えなかったの私だけなのか… 

 

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【姫織√】

いつもはらぺこな女の子

ひよちゃん!!

ヒロインの中で私の名前を何度もよんでくれるので好きです。

 

姫織√は前半が十夜の物語になっています。

体験版の範囲では十夜ちゃんは可愛い愛玩動物だなくらいの感想しか抱いていませんでした。本編では夜の世界の住人の猫として人間たちの幸せを祈り支えになってくれる存在で、人は大人になると夜の世界の住人を認識できず、その存在の記憶すら忘れてしまうため、幾度も繰り返される友達との別れに十夜は嘆き苦しんでいました。

人として産まれてこれなかった事を嘆くシーン…

千和√のナハトの話に続き夜の国のイキモノたちがどのような存在であるのかをより

魅力的に伝えてくれるようなシナリオで、目にはみえなくても、声が届かなくても、それを支え人の幸せを祈り応援し続けてくれるそんな物語でした。

今作『さくら、もゆ。』には”応援”というテーマが含まれているとどこかで拝見しましたがまさにそれは十夜の物語でした。

 

 

次に姫織についてです。

自分を犠牲にしてこの世に命をくれた母親を今度は自分が蘇らせるために

夜の国を大雅と旅する物語でした。

他のヒロイン√に比べ簡潔にまとめられていて一番読み進めやすい物語でした。

あと恋愛要素を最も純粋な気持ちで楽しめたのは姫織√です。

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はらぺこになると迷子になってしまうという設定がありましたが後々それが物語に

かなり関わってくるのには驚かされました。

 

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 そしてひよちゃんは他のヒロインに比べてとても積極的で、久しぶりに主人公に

積極的に迫るヒロインっていいなと思えました。

 

 

 【ハル√】

前半が兎蛙姉弟の物語になっています。

この姉弟の物語は『さくら、もゆ。』の根幹に関わる話なので

あまり今回は触れないようにします。

 

ハル√で最も心に残っている台詞で

『私たちは、出会わなければよかった』

 この言い回しが何度も使われます。※後にクロ√でも使われます

 

 

ヒロインと恋人同士になった後幸せな日々が少しはみれると思った私をこの

物語はどん底に突き落としました…

 

 主人公の大雅が騙されやすいといった設定は共通√の十夜とハルと三人でトランプをするシーンで伏線として張られていて驚かされました。

 

ハル√に入ってからは世界が幾度にも分割されてしまいます。

死んでしまったハルを救うために過去に戻る、本来は本物の大雅とましろを救うために使うはずだった魔法をハルを助けるために使用してしまいます。

基本地点A ハルと大雅が死亡した世界(結果的にはハルとクロ) 残りの弾薬5

 ↓

B地点   ハルと大雅が死亡した世界(結果的にはハルとクロ) 残りの弾薬4

C地点   ハルと大雅が死亡した世界(結果的にはハルとクロ) 残りの弾薬3


世界が分岐してからどこにも自分に味方をしてくれる人がいない中

あさひさんだけは大雅の話を聞き入れ"応援"してくれて… 

D地点   ハルと大雅が死亡した世界(結果的にはハルとクロ)

あさひさんのアドバイス通りハルの悪夢に弾丸を打ち込むが外してしまう

残りの弾薬2

再びハルの悪夢に弾丸を打ち込む今度は命中、ハルの後悔に触れる

残りの弾薬1

クロが大雅に追いつき自分の命と引き換えに7発目の弾丸を届ける。

A地点で大雅に魔法の代償を知らされず、魔法の発動許可のみに利用されてもなお大雅を思いここまでついてきてくれるクロはほんと健気過ぎて泣けました…

しかも他の世界で死んだ大雅を自分の命と引き換えに生き返らせていたことも考えるとほんと…

 E地点

 最後の1発はハルに使用する

 

そして最後になりますが、大雅があさひさんに憧れて教師を目指すってところも

個人的に大好き展開でした。後のクロ√では見ていて辛いものでしたが

 

 

【クロ√】

 正直一番話を理解するの苦労した物語でした。

全ての√で張り巡らされた伏線や世界の話がすべてこの物語に詰まっているため

とてもとても長いです。私は一周目の時は話を理解することで手一杯で感情が

ついてきてくれませんでした…

 

クロ√で真っ先したいはなしはましろです。

とにかくましろが可愛い

一目惚れしました

f:id:soda64:20190302232942j:plain守りたい、この笑顔

体験版をプレイした時はましろの回想シーンで声を聴いた時にすぐに声優がクロと同じ

夏和小さんであることに気付いてしまい、もしかしてクロの生まれ変わる前の姿?とか

色々と想像を膨らませていましたが完全に別キャラでした。

何でこんなに惹かれてしまうのか自分でもわからないのですが、本物の大雅が赤子の時から半透明の存在としてずっと大雅の事を母親ように見守っていたシーンを見て無意識的に赤い瞳にのあのキャラクターをどこかで思い浮かべていたのかもしれません。

 

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大雅が薬莢を夜空に落とすシーン

本編では特にCGなどはなかったがOPの映像にそのシーンが含まれていて鳥肌がたちました。

また、クロとの会話シーンで大雅を演じている時のあの男の子は一人称が”俺”だが段々と”ぼく”に移り変わっていく様もとても心に響きました…

 

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あの男の子から受け取った”想い”を胸にあの時は出来なかった魔法の引き金を引く決心をする奏大雅だが、結局自分で引き金を引けなかったところは人間らしい泥臭さがあって良かったです。

 

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↑ここの台詞が凄くて私の貧相な表現能力では言い表せないくらい好きです。

 

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そしてクロの衝撃の告白に世界(わたし)が震えました。

あの男の子(大雅に憧れていた少年)がましろをみると安心するからましろを真似て見た目や食べ物の好みまで真似ようとします(なんて健気なんだ…

 

物語の終盤にクロが命をすべて使い果たしてあの男の子を見守るシーンがあるのですがいろとりどりのヒカリの真紅が何度も死んでしまうシーンの焼き直しのように思えてしまい、一周目の時はクロが交通事故で死んだりする様を見てただ辛いだけでした。しかし、これのおかげで好きなヒロインが不幸な目に遭う話がみたいわけではないという事に気付けて良かったです。

 

 

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ましろや奏大雅が言っていた家族になるという願いがエピローグでは叶えられていて

今まで辛いことや苦しいことばかり起きてしまう物語でしたがやっとハッピーエンドを迎えられて本当に良かったです…

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 ちょっと愚痴っぽいことを書いてしまいましたが最後のクロのCGを見てすべてを許しました(テノヒラクルー

人間のクロめっちゃ美少女ですよね!

もっとこの姿のクロと幸せに生きてく様をみてみたかったです…が『さくら、もゆ。』の物語はこの作品のみで綺麗に語られているので続編は必要ないと思います。

でも、せっかくこんな素敵なキャラクターたちがたくさんいる作品なのでFDとか出してくれないかってちょっと期待してみたり…

もし次回作があるならましろを、ましろの〇っちなCGを下さい!神様お願いします!

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 うわあああぁぁぁぁぁぁぁ

 

あと余談ですがクロの衣装のカラーリングについてです。

棒猫型ロボットに似てる気がしませんか?

 

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クロは大量生産された猫の中でも欠陥品として扱われていました。

棒猫型ロボットも元々は大量生産されたロボットのひとつです。

そして大雅が他のヒロインの√でクロに助けをもとめてしまうシーンもの〇太くんが

ド〇えもんに秘密道具をねだる場面にも見えなくはないかと

 

 

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 ましろがいろとりどりのセカイに登場した最果ての図書館をほのめかすような発言をしていたのも興味深かったです。もしかしたら『さくら、もゆ。』は『いろとりどりのセカイ』の過去の話なのでしょうか?

 

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